経営指導に自信を失くしても先輩の姿で我に返り、自らのスタイルを信じて重圧を跳ね飛ばした。
井上 靖友 32歳[2002年入社]
<部署>営業第二部 大阪営業所 
■仕事内容
コンサルティングセールス。美容業界の発展を目指し、当社製品の販売と共に、サロン様の業績向上のためにコタ旬報店システムによる分析・提案を行っています。
<出身校>奈良産業大学
<学部>法学部 
<専攻>民事訴訟法
◎社会に出るまでに熱中したこと
国内外に問わず旅行をしていました。時間のある間にさまざまな場所や人と出会うことを楽しんでいました。
22歳
コタに営業職として入社
新規開拓で結果が残せなくても、決してあきらめずに立ち向かって同期で1位の成績を残した
25歳
取引の途切れるサロンが相次ぐ
オーナーに太刀打ちできず自信を失った。ストレスで体調を崩しながら日々の業務に忙殺された
26歳
初めて年間売上目標を達成
4年目にして自信を取り戻し、プレッシャーに立ち向かって達成感を味わえるようになる
大人のスゴさや楽しさを感じた学生時代。夢中で飛び込み営業すると自信に繋がった。
子どものときは体が小さくていつでもみんなの調整役だった。休みなく働く祖父母や両親を見て大人のスゴさに驚き、練習も遊びも本気で取り組む中学のバスケ部の顧問や、高校時代に釣り堀で仲良くなった趣味にも没頭するビジネスマンなど、切り替えのできる大人に憧れていた。大学では、生徒を希望校に合格させなければならない塾講師や競馬場の広報のアルバイトでプレッシャーを乗り越える仕事を経験し、「社会人になってもこの達成感を味わいたい」と思った。
自分で商売を始めて激務でもイキイキ働く父を見て、将来の独立も考えながら就活に臨む。数ある内定の中から、コタの社員がサロンや業界のために夢中で働いている話や、人事担当が「オフも本気で楽しめ!」と自ら実践している姿に惹かれて入社した。

大阪営業所に配属されると、「早く結果を残したい」と意気込んでサロンの新規開拓を始めるが、1日20件近く訪問しても門前払いばかり。それでも、同期の成功体験を聞いては自分を鼓舞して飛び込みを続け、理想を語る5ヶ月後、あるオーナーから「君の言う通りや」と告げられた。「思いを込めて話せばちゃんと伝わるんだ」。そんな自信が生まれて、相手の立場にも立って話すことを心がけると、20店ものサロンから受注ができ、同期8人中トップの成績を残せた。
真剣な経営者にひるんで何も提案できない。取引を打ち切られるサロンが相次いだ。
2年目には先輩に同行してオーナーとの折衝を勉強する一方で、自ら開拓した20店の売上目標を持つ。しかし、自分なりにサロン運営のアドバイスをしてもオーナーには聞き流され、逆に商品の成分やファッションに関わる質問までされると勉強不足で答えられない。「まずは現場をわかってよ」とあるオーナーに言われて体験入店すると、初めて美容師の日常業務の厳しさが骨身に染みた。すっかり自信を失って、「人生を賭けているオーナーに、何も知らない人間が指導なんてできない…」と御用聞きのような訪問になっていった。

すると、あるサロンから「安い商品があったから」と取引を中止され、「僕は必要とされてなかった」と落胆する。その後も問い合わせへの返答が遅れて「二度と来るな!」と怒鳴られたり、取引停止のファックスを送りつけられて、思わず「辞めたい…」と求人誌を手にした。学生時代の友人に相談をして、逆に「コタは休みも多くていいな」と言われても「転職すれば…」という思いが募った。

日頃は静観している先輩が「本当にサロンのことを考えてるのか?」と深夜に数時間に渡って叱ってくれても、休日になると仕事の苦しさを忘れたくて、ただフットサルで気分転換した。次第に体はやせ細り、貧血や胃痛に悩まされながら日々の多忙さに流される半年間。入社4年目を目前に、年間売上は目標の7割足らずで、取引がなくなったサロンは10店近くにも及んだ。
先輩から気づきを得て、現場を変えることで経営者の役に立とうと本気で動き出した。
それでも何とか先輩に頼み込むと、自分の担当サロンへ同行してくれる。すると私生活ではあまり几帳面ではないその先輩が、スタッフの対応や店内に厳しく目を配って初対面のオーナーに苦言を呈し、帰社後には礼状まで書いている。
その姿に「僕は経営者や仕事から逃げているだけだ…」とようやく目が覚めた。同じ頃、あるサロンが取引を再開してくれ、「現場を知っている僕こそがオーナーに役立てることもある」と初めて本や新聞で情報を集め、「火曜日は必ず訪問する」「講習後に必ずスタッフと話す」と自らの行動を律して通い続けると、次第にスタッフへの興味が深まっていく。

「相手を好きになることが大切なんだ」と気づいて、スタッフ個々の売上データを出しては電話で毎日一人ひとりに助言を重ねると、逆にスタッフからもメールをもらえるようになる。3ヵ月後には売上が伸び始めたオーナーから「君のおかげだ」と言ってもらえ、他店でも喜ばれることが増えて自信も芽生えてついに4年目の年間売上目標を達成した。
そんな中、4カ月も通い続けていたある新規店のオーナーから、「3カ月連続で私が提示する売上を上げられたらコンサルも任せるよ」と言われて、プレッシャーを感じながらもその取引を引き受けた。
プレッシャーを感じても自分のスタイルを信じて乗り越え、達成感を味わう。
自らロープレもして講習会を重ね、スタッフにコタの考えを理解してもらい、個人の毎日の目標を作っては、日々のファックスだけでなく、週に1度は夜から片道1時間も車を走らせて激励する。プレッシャーから肌まで荒れる3ヶ月を乗り越えてついに提示された条件をクリアすると、オーナーは「実は断るつもりで出した目標金額だったんだ。よくやってくれたね」と言ってくれた。

一方では、初めて自分の店を持って不安を隠せないオーナーから「君が頼りなんだ」と告げられ、別の出資者からも「私も金を出しているし、本気でやってくれ」と言われて緊張が高まる。それでも、車で往復3時間かけてでも店に足を運んでは現場の声を拾い上げて様々な策を打ち出し、半年後には利益を生み出せた。他店では、後ろ向きだったスタッフから「井上さんと出会ってから仕事が楽しくなりました!」とまで言ってもらえるようになっている。「これこそ僕が求めていた達成感だ!」と胸が一杯になった。

社会に出て経営者や働くことの壮絶さに自信を失くし、仕事にも私生活にも本気になれなかった。しかし、調整役だけだった自分を奮い立たせ、現場の気持ちを理解することで経営者にぶつかる自分なりのスタイルで、プレッシャーを乗り越えて達成感を得る働き方を手に入れた。サロンオーナーの孤独を目の当たりにして独立への気持ちは薄らいでも、後輩にも大きな影響力を持てる人間に成長し、夢中に生きてどこまで大人の醍醐味を味わえるかに挑戦していきたい。